2019.09.11
私は大分県佐伯市大入島の出身です。佐伯鶴城高校から広島大学に入学、卒業と共に、大分に帰ってきました。大分大学第一内科、山香町立病院(現・杵築市立山香病院)、国立大分病院(現・大分医療センター)で研修した後、昭和59年4月から大分大学に勤務し、本年8月31日に退職しました。大学では肝がん治療、ウイルス肝炎治療を専門としてきました。
平成元年に世に姿を現したC型肝炎ウイルスは令和の時代になりその終焉を迎えようとしています。C型肝炎に対して、副作用の少ない直接作用型抗ウイルス剤(DAA)が開発され、注射薬であるインターフェロンから一気に内服薬であるDAAに置き換わり、100%治る時代となりました。しかも2か月間という短期間の内服というのは驚きです。一方、B型肝炎ウイルスは内服薬で制御できる時代となり、平成28年以降は生まれてきた赤ちゃんにワクチン接種(ユニバーサルワクチネーション)をするようになり、予防・治療がほぼ完成しました。不治の病として国民病と言われたウイルス肝炎が撲滅されようとしている時代に、医師として患者様と悪戦苦闘しながら関わってこられたのは幸せなことでした。
肝がん治療では早期肝がんであれば内科的治療(ラジオ波治療、マイクロ波治療)で外科切除と同じ治療効果が得られる時代となりました。進行がんの治療も著しく進歩し、その克服も近いと考えています。当院はこの20年間大分県内で最も多くの内科的な肝がん治療を行ってきました。これまで培った当院のスタッフとの信頼感を生かして、肝がん治療のさらなる向上と県内の肝炎患者さんの撲滅に向けての道筋を当院から発信していきたいと考えています。
さらに、肝臓という臓器はメタボ、糖尿病、心臓病との関りが指摘されています。肝臓が硬いと心臓病になりやすいことが最近明らかになりました。近く、大分循環器病院では大分県で初めて肝臓の硬さ(肝硬度)を評価する機器(ファイブロスキャン)を導入し、受診者皆様に肝硬度を測定できればと考えています。そして肝硬度を用いて肝臓というユニークな臓器から考える「健康で、元気に長生きする」手だてを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
9月1日付けで着任しました。どうぞよろしくお願いいたします。
副院長(消化器内科) 清家 正隆
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